新型インフルエンザの国別感染者数とその順位の関係に見るジップ則(3)

Zipf-law correlation between the number and position of avian flu infected countries(3)

前回の記事で、今までに無いアクセス数となり驚いているMeguuです。
やっぱり日本で流行すると気になって調べるんですかね。
さて、パンデミックになりそうな兆候はあるのですが、国別感染者数順位はどう変化したのでしょうか。

図を見て下さい。日が変わっても順位が入れ変わっても、グラフの形は変わらずにただ右上にずれていくだけなのが分かると思います。
これは、感染パターンは基本的に変化していないことを示しています。
日本で急に広まったと考えがちですが、このグラフ上にきれいに乗ったのです。
つまり、日本で広まったことはごく自然だったのです。不思議ですね。


また、このグラフの形は純粋なべき乗則ではなく、すこしガタガタしているように見えます。この原因はまだ調査中ですが、似た現象として、「mixiのマイミクネットワークにおけるコミュニティサイズとその順位に見られるギャップ」というものが存在します。

本当はその図も載せられたら良かったのですが、著作権の関係で載せたら怒られるかもしれないので、論文へのリンクだけ張っておきます。
[physics/0701168] A Gap in the Community-Size Distribution of a Large-Scale Social Networking Site
まさかmixi新型インフルエンザが結びつくとは考えても居なかったので気づくのが遅れました。
でもどうしてこのようにガタガタになるのでしょうか。
この論文中において、「友人関係だけではなく、ある程度ランダムに繋がることでギャップが生まれる」と説明しています。
この仮説を新型インフルエンザの感染に置き換えると、「友人関係で感染が進むが、ある程度不特定多数に感染することもある」といった具合でしょうか。
確かにこの異常な感染力を考えるとその仮説も成り立ちそうですね。
しかし、今回グラフ化したデータではまず国ありきなので、少々事情が違うようです。なぜでしょうか。疑問は尽きません。
また、このデータは累計人数であることに注意するべきです。もう治療を終えて元気に活動を再開している人も人数に含まれています。治療を終えた人のデータは新聞などでは入手できないので仕方ないですね。


今秋に流行すると推測されている新型インフルエンザ。今後も色々な意味で注意してみる必要がありますね。